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「一橋大学をすべての学生・教職員が安心して通うことのできる場所へと変えていきたい」 CL・西良朋也さんインタビュー

Updated: Jul 31, 2023



2015年の団体設立からちゃぶ台返し女子アクション(以下、ちゃぶじょ)は、性犯罪刑法の改正を求めるビリーブ・キャンペーンや、大学生や一般向けの性的同意・第三者介入ワークショップの実施、セクシュアル・コンセント・ハンドブックの配布など、ジェンダー平等に向けてさまざまな活動に取り組んできました。


そんな私たちが5周年という節目の年を迎えて重要性を感じているのがフェミニスト・アクティビズムの「今まで」と「これから」について。


現在、進行中のプロジェクト「チェンジ・リーダー・プログラム(以下、CLP)」は、、ちゃぶじょが今まで大切にしてきたコミュニティ・オーガナイジングの手法を基盤に、「コミュニティに変化をもたらしたい」と考える大学生とともに新しい構造的な変化を実現するための取り組みです。


今回は、CLPに参加する学生チェンジ・リーダーにインタビューを実施! どんな思いからCLPに参加したのか、抱えている課題はなんなのか、学生ならではの視点で語ってもらいました。


――自己紹介をお願いします!

こんにちは、西良朋也と申します。所属は一橋大学社会学研究科で、専門領域はダイバーシティ・社会正義研究(DSJS)、人類学と社会学です。


DSJSは、比較的新しい学問で、人種・エスニシティ、ジェンダー・セクシュアリティ、社会経済階級、宗教・信条、障がい、年齢など、それぞれの分野で積み上げられきた研究を、それぞれの歴史や特性にも配慮しながら横断的に学ぶことで、通底する包摂/排除の仕組みや交差・混淆するアイデンティティや差別の在り方について考えることを目的に立ち上げられました。


現在は、多文化主義から多自然主義への存在論的転回、という人類学の動向を踏まえて、西洋的な人権・権利概念や人間・社会・自然・世界観を乗り越えた上でなお(知の脱西洋化・植民地化)、いかにしてすべての人が心地よく居住できるコミュニティの在り方を模索していけるか(Ethics of Dwelling)を研究課題としています。


――CLPに応募した理由を教えてください。


僕はこれまで、ダイバーシティ・社会正義にかかわる活動をがむしゃらにやってきました。


学生スタッフとして働く「国際寮」で、「ダイバーシティ・セーファースペース」事業を開始したり、何かノウハウを盗んでやろうと思って留学先(米・ヴァージニア大学)のダイバーシティ関連施設で働いたり。そのうちの一つであるWomen’s Centerでジェンダー・権力に基づく暴力の防止事業に携わるうちに、一橋でも何かやりたいと思ってヴァージニアから友人に電話をかけました。


それで帰国後、友人たちと一緒にBridge for Allを立ち上げて、身の回りの性差別から性的暴行まであらゆるジェンダーに基づく暴力がどのように結びついているのかをディスカッションやロールプレイングを通じて学ぶワークショップをしたりしていました。そんな中でこのプログラムをお勧めされて、あのちゃぶじょからノウハウを盗むいい機会だ!と思って参加を決めました。


――CLPが始まって約5か月が経ちますが、これまで勉強会やワークショップに参加したり、実際の自分の大学で一緒に活動する同志に声がけしたり、関係構築をしたりする中で、どんな学びや発見、葛藤がありましたか?


最初はとりあえずイベントをやって、団体への参加者を受け身で待ってて。でもそれでなかなか人が増えなかったので、このまま団体がつぶれても仕方ないな、とあきらめていました。なんか別に必要とされてないのかな、っていう気がして、自信がなくなっちゃって。そんな時、CLPの1対1コーチングで、興味がありそうな個人への声かけを提案されて、それで実際にやってみると本当にたくさん人が集まって。それは今でもこの団体での大きな成功体験になっています。


最初は躊躇する部分もあったけど、うまくいくとどんどん人集めが楽しくなりました。僕も含め、創設メンバーの大半が今年で卒業してしまうので、今は、現役メンバーがどうやって新たな人を呼び込むかが課題ですね。


――最後に一言お願いします!


まずは、ちゃぶじょ5周年おめでとうございます! いまの活動を通して一橋でBridge for Allという団体が立ち上がったということを色んな人に知ってほしいですね。LGBTQ+ Bridge Networkという学内の別の団体にも所属しているのですが、一橋にとって今年は、アウティング自死事件から5年目という節目の年にもあたります。一橋であのような凄惨な事件があったということを胸に刻み続けながら、一橋大学をすべての学生・教職員が安心して通うことのできる場所へと変えていきたいです。そして一橋大学がそんな活動のBridgeになることができるよう、寮やさまざまな団体と連携しながら取り組みを一層加速させていきたいと思います。


★Bridge for All(HPTwitterFacebook

もともと自ら活発にダイバーシティ・社会正義にかかわる活動を行っていたという西良さん。CLPと出会い、人集めのノウハウを学ぶことができたということです。西良さんは今年度で卒業ということですが、CLPで更なる知見を得て、これからもBridge for Allの活動を盛り上げていってほしいです!



西良さんをはじめ、さまざまなチェンジ・リーダーとの活動に力を入れているちゃぶじょは今年、発足5周年を記念して9月27日(日)、オンライントークイベント「私たちが社会を変え続けるために ~フェミニズムの今までとこれから~」を行います!


ゲストに「ウィメンズ・マーチ東京」実行委員代表の濱田すみれさんをお迎えし、「わたしのフェミニズム運動」として、ご本人の想いや経験・アクションがフェミニズムの大きな流れの中でどのように紡がれてきたかについてご講演いただきます。



さらに、現在CLPを頑張っているチェンジ・リーダーたちもスピーカーとして登場。実際にアクションを起こす中での葛藤や挑戦について濱田さんと共有してもらい、「これから」のアクションについて参加者のみなさんとともに考えていきたいと思います。


「私たちが社会を変え続けるために ~フェミニズムの今までとこれから~」ちゃぶじょ5周年記念イベントは、今年9月27日(日)19時~21時30分の開催です。新型コロナウイルスの感染拡大防止のためオンライン(zoom)での開催となります。


年齢、ジェンダー、セクシュアリティを問わず、ジェンダー平等や、性差別・性暴力のない世界を願う方、フェミニズムに興味がある方は誰でも大歓迎ですので、興味がある方はこちらから詳細をご確認・お申し込みください。ご好評につき、参加枠を10席追加しました! 申し込み締め切りは9月22日(火)です。


参加者同士での対話の時間もあるので、どうぞお楽しみにしてください。


Interviewed by もえ Written by さき、あやな



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