自分の大学キャンパスで仲間を集め、自分たちの力で性差別や性暴力をなくすための変化を起こしたい!そんな共通の思いを抱える大学生たちが集まり、2020年4月4日にスタートを切った「ちゃぶじょ・チェンジリーダー・プログラム」。同年6月13・14日に、プログラム2回目のトレーニングとなる、社会変革の手法「コミュニティ・オーガナイジング」を学ぶワークショップ(以下、コミュニティ・オーガナイジングはCO、ワークショップはWS)が開催されました。コロナウイルスの影響を懸念し、前回4月4日に開催したオリエンテーションに引き続いて、今回もZoomを使ったオンライン実施です。
今回のWSは、2日間に渡って講義とチーム演習を繰り返し、社会を変えるための基礎的な知識・スキルを学ぶという、「実践」を意識したもの。ハーバード・ケネディスクールで教えられている授業をもとに設計されたもので、NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下、COJ)の協力のもと開催しました。
「メンバー全員の間でCOの知識・スキルを共有できることは、活動のパワーアップに大きく繋がる」という理念のもと、当日は、プログラムに直接参加しているチェンジ・リーダーたちだけではなく、彼らが自らのチームにリクルートしてきた、今後の大学での活動に中心的に関わる「コアメンバー」も参加しました。
最終的に、WSへの参加者は、ちゃぶじょやCOJのメンバーも含めると、総勢30人超え!オンラインながら、活気に満ちたWSとなりました。
1日目は、朝9時半から接続確認をスタート。まだ少しみんな眠たそうでした。また、これから何か始めるのか、緊張や不安の声も…。
はじめのセッション内容は、「人々のパワーで変化を起こす」。ちゃぶじょ共同代表理事のさちこが、COについて、お互いの色の違いを尊重し、活かすことで大きな魚を追い払った”スイミー”の例えを用いながら、”みんなの力を活かして困難に立ち向かうこと”を分かりやすく説明しました。
次は、「質問を通してリーダーシップを引き出す」ことを学ぶ「コーチング」のセッションです。コーチングとは、コーチングとは、質問を通して新しい気付きを引き出すことでリーダーシップを育てる手法です。今回は、3人1組でコーチングを実践してみました。質問と言い換えのみを通して行うコーチングですが、「気が付いたら質問だけではなくアドバイスもしてしまい、相手から自発的に解決策や気付きを引き出すことが難しかった」という感想も。
昼食の後は、「パブリック・ナラティブとは?/ストーリー・オブ・セルフ」、「関係構築」と続き、最後に1日目全体の学びの共有をし、1日目が終了。あっという間の時間でした。
2日目は、みんな少し慣れた様子で、「リーダーシップチームの構築」のセッションから始まりました。チーム演習ではそれぞれのチームが、チーム名と共有目的、そして「チャント」というチーム独自の掛け声やポーズを話し合って決めました。チャントはどのチームのものも個性的でかわいい!みんなで拍手をして締め、好調な滑り出しとなりました。
その後、次のセッションでは、活動のための「同志は誰なのか」について考えました。同志が直面している困難は?誰がどう困っている?そのような問いかけをもとに、共通の「困難」を抱える同志のスキル(資源)を結束させてパワーに変えることこそが、活動のゴールへ向かうための戦略であると学びました。
2日目のWSは、9時から16時と長丁場。15時過ぎから始まる最後のセッション前には、みんなで目を閉じて呼吸を整えたり首や背中のストレッチをしたりして、リラックスする時間をとりました。
このセッションは、戦略的ゴールの達成のためには、複数のアクションをとっていくことは重要であるという話からスタート。戦術の種類や基準について、ケーススタディを交えながら、理解を深めました。
以上のセッションを終えて、各チームが作り上げた「チーム名」、「同志」、「戦略」そして「ゴール」からは、同じ意識や経験を持つ自大学の学生を同志とし、今年度末までに、それぞれのチームが目指す多様なゴールにたどり着きたいという気持ちが垣間見えました。
各チームからは、「普段は他の団体と連携を取ることが難しいので、こういう機会を生かしていきたい」、「関心が違っても、価値観を共有することでメンバーとつながることができることをワークで学べた」、「自分たちがやりたいことじゃなくて、同志が何に困難を感じているのかが重要だということを学んだ」などといった感想が寄せられました。
また、後日、メンバー個人に感想を伺うと、「これからも校内の性差別・性暴力を根絶するために頑張ります!」といった活発な感想も。
WSがチェンジ・リーダーたちの意欲の刺激にもなったようで、私たちもうれしい限りです。
今後の予定として、10月11日に、第3弾のトレーニング(Story, Structure, Strategy = SSSトレーニング)を予定しています。当日を目指し、チェンジ・リーダーたちには「リーダーシップチームの強化」、「二層のリクルート」、「戦略の見直し」、そして「キックオフとアクションの実施」の課題が与えられました。
4月のオリエンテーションから、どんどん成長を見せるリーダーたち。COに対する知識もそうですが、「自分たちの力でキャンパスを変えたい!」という想いも一層レベルアップしているようです。きっと10月には更なる成長を私たちに見せてくれることを、楽しみにしています!
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